------　岡田俊郎君に哀悼の意を表します------　　　　　　　２４．１２．８　　　　　西脇弘和

　　先日、弊社に「岡田印刷さんの後を引き継ぎますのでよろしくお願いします」と言ってA社の印刷屋が名刺を
　置いて行きました。
　　実は前々から岡田印刷に全ての印刷物を頼んでいましたが、岡田俊郎君の体の調子が悪く、以前から肺癌で
　入退院を繰り返していました。

　　４～５年前に奥さんを亡くし、一人で印刷屋を切り盛りしていたようで、なかなか商売をしていると、
　止め時が難しいようでいつも退院して来ては、注文品の配達をしながら愚痴を言ってました。
　しかしタバコを止めるわけでもなく肺癌患者のような素振りは微塵もありませんでした。
　　いつも元気そうで冗談を言っては弊社の事務員などを笑わせていました。最後に弊社に集金に来たのは
　２月頃だったと記憶しています。

　　　そして、そのA印刷屋に聞いたところ3月２６日か２７日に亡くなった由。私も忙しくしていたので、
　会ってない日にちの長さなど忘れていました。弊社の近くにある岡田印刷に行ってみると、そこは人が
　住んでいる気配はありませんでした。以前から訪ねて行っても居ないことが多く、病院と仕事場の
　行き来だけだったようです。

　　思えば、高校時代は近所だった我が家へ毎日寄ってくれ一緒に通学してました。彼はどちらかというと
　寡黙なほうで必要なことだけをズバッというほうでした。かといって暗い方ではなく、どちらかというと
　明るい方でした。高校一年の頃はオートバイの免許を持っていて、夜に何処とは言わずオートバイで
　出かけていたようです。門司港で行われていた開通したばかりの関門自動車道の関門トンネル博に、
　オートバイの後ろに乗せてもらって行った事が今更のように思い出されます。

　　岡田君は日本大学航空学科に進み、二年生から宮崎の分校で練習機に搭乗して実地訓練する予定でした。
　しかし、その直前に岡田印刷の社長をしていたおじいさんが急死し、お母さんのたっての願いで、
　学業半ばで家業を継がなければならなかったこと、お父さんが生きていたらと思うと、彼にとって忸怩たる
　思いであったことでしょう。
　私も大学卒業後に家業を継ぎましたが、その後は仕事の忙しさから彼とは殆ど没交渉でした。
　彼の家族のことなど全く知らなかったので、奥さんの亡くなったことや、子供さんのことなど
　知りませんでした。岡田君に会って奥さんを1年前に亡くしたことや、娘さんが二人いることは聞いて
　いましたが、それ以上のことは知りませんでした。
　おそらく彼は二人の娘さんやお孫さんに囲まれてなくなったことだと思います。
　苦労は多かったことでしょうが、一生懸命生きてきた岡田君のご冥福を衷心よりお祈りします。