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 山中君との思い出

                                                             案野剛輔

  山中君と最後に会ったのは2011年の中学同窓会であった。その2年前に肺がんを発病し、
 神奈川ガンセンターで治療を受けて、ようやく同窓会に出られるまで快復したと言っていた。
 その後何度か会合に出るとの回答はあったが、直前に体調不良でキャンセルと連絡があった。

  1年以上前から連絡が取れなくなり、心配なので今年の同窓会案内を往復ハガキで出した。
 すると、山中君の娘さん名で返信があり、父は2月に他界したと書かれていた。
 娘さんの携帯番号も添えられていたので、時間を見計らって電話をした。
 そこで、ガンが脳に転移し、横浜労災病院でガンマナイフの治療を受けたが、力及ばず、
 2月に亡くなられたと事情がわかった。

 
 山中君とは中学、高校と一緒であったが、特に親しい間になったのは、
 就職後に彼が途中入社して来てからであった。独身寮でヒョッコリ顔を合わせ、
 部屋を行き来する間になった。
 
 その後会社でも見かけたりしていたが、突然山中君の結婚式に呼ばれて、
 友人席に座った。
 彼は新婚時代を綱島で送っていて、一度家に招待もされた。
 
 
 お互いに子供が小学校低学年の頃、甲府にブドウ狩りドライブをした。
 当時は携帯がなく、渋滞で集合時間に間に合わない事を互いに連絡できず、
 長時間の待機を強いられた事を思い出す。

 
 会社を退職した後は、中国のシンセン(深セン)に半導体の技術指導に
 出かけていると聞いていた。
 その時は同窓会への出席は都合次第であった。
 それも終わると、毎年の同窓会にはかなりの率で出席していた。
 
釣りにも興味を示めして、船に乗ったとも聞いた。

 
 それが、突然の病の報告に変わり、頭書の通りの経過となった。
 
近年連絡が取れなくなったのは、港南区の家をたたんで、奥さんと一緒に鎌倉の娘さんの嫁ぎ先に
 転居していたから。

  
様子を聞くために出した同窓会の案内で、恐れていた情報が戻って来て仕舞った。
 
          心から冥福をお祈りいたします。  
合掌