田中丸祐廣君の死去を悼む

　　田中丸君の突然の訃報を聞いて驚いています。
　彼とは、小中高校を通じての親友でした。

　　小学校時代の彼は早熟の算数の天才で、親友と言うより、仰ぎ見上げる畏友でした。
　私にとって親友とは、発展途上の私の拙い価値観を肯定してくれる数少ない
（或いは唯一の）存在を意味しました。　どれだけ励まされたことか！

　　高校時代には、数学の私塾に一緒に通って、難問に挑戦し会いました。
　中高時代には昆虫採集に嵌り、週末には一緒に小倉の北にある福知山に行き、
　カミキリムシの採集に熱中しました。

田中丸君↑

　珍しいカミキリを求めて、テントを担いで九重連山とか
　鳥取県の大山に行ったことも楽しい思い出です。
　彼の穏やかな人柄にいつも癒されておりました。

　　大学はそれぞれ違った大学に進学しましたが、
　お互いの下宿に泊まりに行き、
　夜は大酒を酌み交わすのが恒例でした。
　ある時、いつもように酔っぱらって、翌朝寝ぼけ眼でラジオを点けると、
　ケネディ大統領の暗殺のニュースが飛び込んできて、
　二人で顔を見合わせて驚愕したこともありました。

　　数々の思い出を残して、とうとう、彼は帰らぬ人になってしまいましたが、
　彼の思い出は消えることがありません。

　　　　　　　　　　　ご冥福を祈るばかりです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新海　正浩　拝