昨日５月３０日午後７時１２分。父、井生定巳が旅立ちました。享年８５歳。
　芝居に情熱を注ぎ続けた一生でした。

　　今年創立８０周年を迎えるアマチュア劇団青春座での活動や仕事などを通じて、
　父と関わってくださった方々には生前のご厚誼に深く感謝いたします。

　　僕ら三妹弟は幼い頃から、芝居に打ち込む父とそれを支え一緒に楽しむ母の姿を
　見て育ちました。
　人と協力して何かを創り上げることの大変さと面白さは、劇場の「闇」の中で生まれては消えていく
　「物語」を青春座の仲間と一緒に創り上げてきた父の姿から学びました。
　「闇」を背景に「光」で描く「写真」というものに僕が関わっているのも、
　幼い頃から劇場の「闇」に慣れ親しみ、青春座の芝居を数多く観てきたからなのだと思っています。

　　世間一般からすればメインストリームとは対極にある僕の生き方を愛情を持って肯定し、
　自分のやりたいことに突き進む力をくれたのも厳しくも優しい父の眼差しでした。
　南インドの古典音楽という全くマイナーな異国の音楽を日本に紹介するという現在のプロジェクト
　「マールガリ・ジャパン」も実はそんな父の存在があってのものと言えます。

　　昨年は地元北九州の小倉昭和館でその「マールガリ・ジャパン 2024」公演の一つを開催したのは
　「心優しく育ててくれたお礼がわりにこの歌を」父と母へ届けたかったからなのです。
　（去年は「切手のないおくりもの」のWNIMAによるカバーバージョンが個人的テーマソングでした！笑）

　　賑やかなことが好きな父でしたので、楽しく送り出したいと思います。
　まぁ、もうすでに先に旅立った青春座の仲間たちと
　　　　　　　天上でビールを飲みながらよろしくやっているかと思いますが！