15期　山田禎介

　　六根会の先輩方の旅行で、広島の竹原と忠海が登場、うれしくなりました。神谷先輩も触れられる竹原と忠海は、
　ＮＨＫ朝ドラ「マッサン」のモデル、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴正孝に加え、かつての首相、池田勇人にも縁があります。

　　東京オリンピックがまた来ます。池田勇人の首相時代、前回1964年東京オリンピック前頃、
　世界中の在外公館（大使館、総領事館）の外交パーティに、サントリーではなく、スーパーニッカが並んだ～というのも、
　池田も忠海中学出身で、竹鶴はこの旧制中学寄宿舎の寮長で、池田の先輩～。

　　また十年近く前のわたしの経験、関東明陵同窓会暑気払いはアサヒビールの本社ビル。
　小倉高大先輩、当時の福地アサヒビール会長あってのことでしたが、
　ニッカの超高級50年物ウィスキーを頂戴～すでにニッカはアサヒビール傘下だと、知りました。

　　昭和40年代初頭のニッカ・サントリーのウィスキー戦争。
　北海道余市のニッカ工場では寝かすウィスキー原酒はスコットランド伝統の二段重ね。
　対するサントリー山崎工場の原酒樽は数段の山積み。樽の原木はサントリーが北米産のホワイトオーク。
　ブランデー熟成樽で浸ませたあとウィスキー樽に使うと言えば、ニッカは余市郊外のナラ、ブナを使う～といった調子。

　宣伝のうまいサントリーは「京都郊外山崎で貯蔵」と言うが、山崎は大阪府。
　ニッカのスコットランド式樽の二段重ねはさすがですが、サントリーにもわたしが勤めた会社に深い縁があり、捨てがたいものです。

　　「マッサン」ではそのモデルが準主役ですが、実際の「サントリイの壽屋」がウィスキーを売り出すとき、
　売り出しに大きな役割を果たしたのが私の勤めた会社。
　会社先輩の回顧には、「サントリイの広告」が載ったその日に、鳥井信治郎社主の命で番頭が「手形ではなく風呂敷に包んだ現金」を
　毎回、本社に届けに来た」とあり、信治郎が亡くなるまで続いた～～壽屋は大阪商人の気概を持っていたようです。

　　またマッサンではエリー夫人、実際には竹鶴リタですが、実は新婚時代から、神奈川県湘南に住んだ時代が長く、
　江の島で遊ぶ写真も。
　江の島は英コーンウォールのケルト史跡「セントマイケルズマウント」という陸繋島とそっくりで、昔からガイジン人気の場所。
　なお、リタはフィアンセだったスコットランド将校が、メソポタミア戦争（第一次大戦）の
　ダマスカスで戦死した傷心の女性だった～というのが実像のようです。

　メソポタミア戦争の舞台、映画「アラビアのロレンス」には、スコットランドの連隊が背景に登場します。

英ケルト史跡
「セントマイケルズマウント」