岩松　斉

 　　たった５人の催行となったが、１車で済んだので、車がはぐれる心配は無くなった。問題は大草原である。
　事前調査を津田がおこなっており、先ず車を中心部の無料駐車場に止めた。
　
　事前に決めた場所かどうかはわからない、そこに5～6人の山ガールがいたからである。
　早速神谷が話しかけに行く「君たちどこへ行くの？」「会長～、どこへ行くんですか～」と女の子、
　男のリーダーが現れる「大平山だよ」。
　神谷がっかり。「レベル上だな～、僕らは『キス岩』を捜しに行くんですよ」と岩松。

　　事前調査の津田は全員に平尾台観光マップを渡し、今日はこの中級コース３時間を考えていると線を書き入れた地図を
　説明するが、73～74の老人の頭には入りにくい、というより入力するつもりは無く、誰かに付いて行けば良いと思っているようだ。
　岩松の頭にはコース沿いに書いてある『キス岩』だけが目的地である。
　中村の頭はもう『すすき』のゾーンに入ってしまっている。
　
　　途中で神谷がドリーネという言葉を思い出し、ウンチクを披露した。
　先頭を歩く小林が三叉路で待っている。スペースがあって景色も良い。
　小林が相模ナンバーのホンダのハイブリット車を見つけ検分しに近づくと持ち主の女性が心配し跳んで来た。
　１人である。小林との会話を聞いていると、長距離だからだろうか40km／リッタ走ると言っていた。
　
　　10分くらい遅れて・・すすきカメラマンが到着。
　早速すべての要素を取り入れた構図を決めホンダの女性に説明しシャッターを押してもらう。
　　太平山、見晴台、標識と完璧の構図だ。
　
　　平尾台はトレイルランのメッカとなっている。無数の山道があり、急坂を走って行くランナーを良く見る。
　俗にいう『坂バカ』が多い。　そんな・・バカオヤジが二人坂の登り口に来た。
　「キス岩はどちらですか」と聞くと「50m先に左へ曲がる小さな道がある」と教えてくれた。
　しばらく行くと又３人連れが来る。「キス岩は近くですか？」と聞くと中の１人が丁寧に、しかも我々５人を集めて説明してくれた。
　胸に「平尾台自然観察・・」のプレートを下げていた。
　さすがにプロの説明だった。
　次の分れ道にきた時、道を聞いた岩松だけが直進を選び150m程進み誤りに気付き戻った。
　あの案内人はさすがだと感心した。キス岩に全員到着し食事を摂った。
　
　　近くに奇岩や岩山があると案内図にあるが、迷って遅くなるより最短で戻り、
　山カフェでコーヒーでも飲もうということになり、　危険な年寄りの山勘で戻ることにした。
　無事帰還し、山カフェもあって10月例会を締めた。

　長々と文章を書いたのは、ボクが撮った１枚の写真（と一句）を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　掲載してもらうための前置きでした。