| 月下美人 続き |
環境や天候等の条件以外に、開花の琴線に触れる何か特別なスイッチがあるのだろうか。 偶々起きた事なのか判らないが、私と同じような体験をした人も多いのか、同じ日に咲くという記事は よく目にする。どうしてこんな事が起きるのか、その原因等を調べてみると、差し芽等で同じ株から 殖やしたからというクローン説（キンモクセイや桜のソメイヨシノもクローン）や、体内時計説、 或いは新月の夜に咲くという月齢説等、色々な説があるようだが、皆確証には乏しい。 又、この月下美人は、添付の写真集の中にも記してあるように、面白い咲かせ方も出来るし、 食することも出来る。 私は、これからお話するようなプレゼントを、過去何度か、親しい人にしたことがあるが、 その中に今も強く印象に残っているエピソードがあるので、それを一つご披露致しましょう。 大分昔の話である。私は今宵咲きそうな月下美人の蕾を切り取り、ぶら下げられるように紐で吊るし、 友人に何の説明も付けずに、「これを鴨居に吊るしてみてくれ」と２つ手渡した。彼は怪訝そうにこれを 受け取り、言われるままに部屋の鴨居に吊るした。風呂から上がり夕食も済ませ、テレビを見ていると なんとなく良い香りが漂ってくる。なんだろうと辺りを見渡すと、それは鴨居に吊るした月下美人から 放たれるものと判った。よく見ると花は徐々に開きかけている。芳香も益々強くなる。 驚いた彼はこれを写真に撮ろうとカメラを取り出したが、生憎電池切れしていて写せない。 それで電池を買いに街に出た。しかし、我が町では夜７時には殆どの店が閉まってしまう。 それでも彼は諦めきれずに、町中の電気店を探し廻り、やっと電池を手に入れ撮影出来た。 後日彼に逢った時、花の開花に感激した様子や、電池探しのドタバタ劇を笑いながら話して呉れた。 私はそこまで喜んで呉れた事が嬉しくて、今でも忘れられない思い出となっている。 もし、月下美人をお持ちの方がおられたら、誰かにプレゼントなされてみては如何でしょうか。 きっとサプライズをお届け出来ると思います。又、咲き終わった花はさっと茹で、酢味噌か三杯酢で 食すると、トロリとしたぬめりがあって、花弁だけでなく、長く伸びた花柄も美味しい。 機会があれば是非味わってみて下さい。 最近は昔ほどのニュース性が薄らいだのか、余りこの報道を見受けられなくなったが、 今もこの奇蹟のようなことは起きているのであろうか。因みに今回の開花日は2013.08.17、 月齢（新月から数えた日）10日、場所は福岡県大牟田市。もし花をお持ちの方が居らしたら、 開花日を確かめてみては如何。果たして同一開花日の花が見つかりますのやら？ 参考にMy花の写真集『花暦』より「月下美人」を添付致しましたので、ご照覧頂ければ幸いです。 月下美人の開花・新月月齢説の考察 今回の開花は新月から１０日目、満月まであと４日であった。結果から判断する限り、 新月に開花するという月齢説は間違いのようである。しかし、「果たして本当に間違いなのか？」 と自問してみると、一概に間違いとは言い切れないように思われる。理由はこうだ。 今回の開花が、今年になって３回目であることは冒頭で述べた通りである。 そして、これ等の開花が毎月続いているという事実である。３回目の現在においても、 来月間違いなく咲くと思われる小さな蕾が既に付いている。 ということは開花日を新月の日と限定するのを別にすれば略、月齢周期で開花が起こっていることになる。 従って、私には開花月齢説は一理ある様に思われる。今回は新月の日の開花では無かったが、若し、 新月に咲くようなことがあれば、以降、毎月、新月又はそれに近い日に咲き続けるということは有り得る。 あながち新月・月齢説が的外れな説では無いことが判る。過去にもこのようなことが起こり、 それが新月の夜に咲くという、月齢説の根拠となったのではないのだろうか。これが私の推論である。 〜〜〜コメント〜〜〜 こんなに早くコメントする羽目になろうとは思いもかけなかった程、素早いタイミングで同日開花の 情報が入りました。昨日、隣県のラジオを車の中で聴いていたら、リスナーからの伝言で 「今晩、月下美人が咲きそうです」と放送していた。我が家の開花はまだ先のことだろうと思っていたが、 念の為、帰って確認すると何と我が家でも開花寸前だった。半信半疑だった開花の不思議を、 今回こんなに早く再確認出来るとは、思いもよらぬことであった。遥か離れた遠隔地でも、 同じことが起きれば凄い事だと、今は本気半分で期待している。
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